ボイラーや圧力容器は、工場や建設現場などで広く使用されており、安全管理が非常に重要です。
適切な管理を怠ると、爆発や火災などの重大事故につながる可能性があります。
本記事では、安全衛生法に基づくボイラーと圧力容器の安全対策について詳しく解説し、安全な運用を実現するためのポイントを紹介します。
企業の安全管理担当者や作業者の方は、ぜひ参考にしてください。
ボイラーと圧力容器の基本概要
ボイラーとは?
ボイラーとは、燃焼ガス、電気などにより主に水を加熱して、温水又は蒸気を発生させ、これを熱源として供給する装置のことを言います。
労働安全衛生法では、最高使用圧力と電熱面積によって、ボイラー、小型ボイラー、簡易ボイラーの区分に分けられます。
ボイラーには、丸ボイラー、水管ボイラー、貫流ボイラー、鋳鉄製ボイラー、廃熱ボイラーなどの種類があります。
最高使用圧力と伝熱面積による区分

胴の内径と長さによる区分

圧力容器とは?
圧力容器とは、容器内で大気圧以外の圧力で水や気体を保管する容器です。
潜水用の酸素ボンベも圧力容器に該当します。
圧力容器には、第一種圧力容器と第二種圧力容器があります。
最高使用圧力と内容積による区分

最高使用圧力と内容積による区分

胴の内径と長さによる区分(最高使用圧力≦0.1MPa)

胴の内径と長さによる区分(最高使用圧力≦0.2MPa)

安全衛生法におけるボイラー・圧力容器の規制
ボイラー及び第一種圧力容器
①定期自主検査を1か月以内ごとに1回行い、記録を3年間保存しておきましょう。
②就業制限(ボイラー)
- 伝熱面積に応じた免許等をもった作業主任者が選任されていること
- 圧力水位及び燃焼状態を監視すること
- 1日に1回以上、水面測定装置の機能を点検すること
- 低水位燃焼遮断装置、火炎検出装置その他の自動制御装置を点検し調整すること
- 異常を認めたときに必要な措置を実施すること
③就業制限(第一種圧力容器)
- 第一種圧力容器取扱作業主任者が選任されていること。
- 初めて使用するとき、内容物や使用方法を変更するときは作業方法を周知し、作業を直接指揮すること
- 内部における温度、圧力などの状態について随時点検し、異常があれば対応すること
- 運転状態について必要な事項を記録し、交代するときに引き継ぎすること。
小型ボイラー及び小型圧力容器
- 定期自主検査を1年以内に1回実施し、記録は3年保管すること
- 特別教育を受けたものが取扱うこと
- 設置報告、事故報告を労基署に届出すること
第二種圧力容器
- 定期自主検査を1年以内ごとに1回実施し、記録を3年保管すること
ボイラー室
- ボイラーは専用の建物または建物内の障壁で区画された場所に設置しなければならない。
- 2以上の出入り口を設けなければならない。
- 構造物までの距離は上部1.2m、側部45cm
- 可燃物との距離は15cm、燃料との距離は液体2m
- 取り扱い作業主任者の資格・氏名および立ち入り禁止の掲示