
目次
フォークリフトには3種類の点検が必要です。
フォークリフトは、安全衛生法の中で3種類の点検が義務付けられています。
月次点検を行わずに作業したり、年次点検の記録を保管しなかったりなど法令違反を起こすと、50万円以下の罰金が科せられるため注意しましょう。
従業員に安全に事故なく使用してもらうためにも、正しい点検を心掛けたいところです。
3種類の点検は、「始業前点検」「月次点検」「年次点検」があります。
それぞれの点検の項目と、点検表についてご紹介していきます。
始業前点検
その日の作業を開始する前に必ず実施する必要がある点検です。
安衛法には次のとおり記載がされています。
第百五十一条の二十五
「事業者は、フオークリフトを用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、次の事項について点検を行わなければならない。
一 制動装置及び操縦装置の機能
二 荷役装置及び油圧装置の機能
三 車輪の異常の有無
四 前照燈、後照燈、方向指示器及び警報装置の機能」
始業前点検の「点検表」の様式
始業前点検の記録様式は、こちらかダウンロードできます。i
始業前点検の記録については、安衛法で定めがないため、記録を保管していなくても、法令違反になることはありません。
しかし、労基署から始業前点検を正しく行えていない可能性があるとして、指導を受ける可能性がありますので、適切に管理を行いましょう!
月次点検
フォークリフトは月に1回、点検を行う必要があります。(月に一度も使用しないときは点検不要です)
始業前点検よりも点検項目が増えます。
点検項目は、安衛法に次のように記載されています。
第百五十一条の二十二
「事業者は、フオークリフトについては、一月を超えない期間ごとに一回、定期に、次の事項について自主検査を行わなければならない。ただし、一月を超える期間使用しないフオークリフトの当該使用しない期間においては、この限りでない。
一 制動装置、クラツチ及び操縦装置の異常の有無
二 荷役装置及び油圧装置の異常の有無
三 ヘツドガード及びバツクレストの異常の有無」
「2 事業者は、前項ただし書のフオークリフトについては、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲げる事項について自主検査を行わなければならない。」
月次点検は、検査者の資格は不要ですので、実施できるのであれば社内でフォークリフトの構造などに詳しい方が実施することでも問題はありません。
(私もフォークリフトの月次点検をやったことがありますが、最初はよくわからなかったので、外部点検業者に依頼したときに隣で点検方法を教えてもらってました。)
月次点検の「点検表」の様式
点検記録について、安衛法に次のとおり記載されています。
第百五十一条の二十三
「事業者は、前二条の自主検査を行つたときは、次の事項を記録し、これを三年間保存しなければならない。
一 検査年月日
二 検査方法
三 検査箇所
四 検査の結果
五 検査を実施した者の氏名
六 検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容」
月次点検の点検表はこちらからダウンロードできます。
年次点検(特定自主検査)
フォークリフトは年に1回、年次検査を実施する必要があります。
フォークリフトの年次検査は、「特定自主検査」と言われ、厚生労働省に登録した検査者が実施する必要があります。
所定の研修を受けて、登録すれば、社内の検査者が実施することが可能です。
年次検査の点検項目は、安衛法で次のように記載されています。
第百五十一条の二十一
「事業者は、フオークリフトについては一年を超えない期間ごとに一回、定期に、次の事項について自主検査を行わなければならない。ただし、一年を超える期間使用しないフオークリフトの当該使用しない期間においては、この限りでない。
一 圧縮圧力、弁すき間その他原動機の異常の有無
二 デフアレンシヤル、プロペラシヤフトその他動力伝達装置の異常の有無
三 タイヤ、ホイールベアリングその他走行装置の異常の有無
四 かじ取り車輪の左右の回転角度、ナツクル、ロッド、アームその他操縦装置の異常の有無
五 制動能力、ブレーキドラム、ブレーキシユーその他制動装置の異常の有無
六 フオーク、マスト、チエーン、チエーンホイールその他荷役装置の異常の有無
七 油圧ポンプ、油圧モーター、シリンダー、安全弁その他油圧装置の異常の有無
八 電圧、電流その他電気系統の異常の有無
九 車体、ヘツドガード、バツクレスト、警報装置、方向指示器、燈火装置及び計器の異常の有無」
「2 事業者は、前項ただし書のフオークリフトについては、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲げる事項について自主検査を行わなければならない。」
検査証シールの貼り付け
年次検査を実施すると「検査証」のシールが交付されます。
検査証はフォークリフトの見やすいところに必ず貼り付けを行いましょう。
検査業者用のシール
本標章は、検査業者がユーザー又は機械所有者の依頼によって特定自主検査を実施したとき、依頼者に発行する標章です。

事業内検査用のシール
本標章は、事業内の検査者が自社において使用する機械の特定自主検査を実施し、その安全性を確認したとき当該機械に貼る標章です。

事業内検査者研修について
中災防では、フォークリフトの検査者の資格を得るための講習を実施しています。そのほか、建荷協でも実施しているようです。
研修を受講することで、社内で年次検査を実施できるようになります。(3種類すべての点検が社内で実施できます)
中災防のページは、次のように記載されていました。(中災防のページはこちら)
本コースは、このうち事業内検査者の資格を取得するための厚生労働大臣が定める研修として実施するものです。事業内検査者として必要な専門知識及び技術について研修します。