じん肺の区分と健康診断の実施頻度や対象者について


粉じん作業を行う会社では、定期的にじん肺健康診断を受診させる必要があります。

この記事では、じん肺健診の実施頻度や対象者について、わかりやすく解説します!

じん肺の区分について

胸部エックス線写真などをもとに、じん肺の進展程度に応じて「区分」が決定されます。

じん肺管理区分

じん肺管理区分じん肺健康診断の結果
管理1じん肺の所見がないと認められるもの
管理2エックス線写真の像が第1型で、じん肺による著しい肺機能の障害がないと認められるもの
管理3エックス線写真の像が第2型で、じん肺による著しい肺機能の障害がないと認められるもの
エックス線写真の像が第3型または第4型でじん肺による著しい肺機能の障害がないと認められるもの
管理4(1)エックス線写真の像が第4型と認められるもの
(2)エックス線写真の像が第1型、第2型、第3型または第4型で、じん肺による著しい肺障害が認められるもの

(参考)エックス線写真像の区分

第1型両肺野にじん肺による粒状影又は不整形陰影が少数あり、かつ、大陰影がないと認められるもの
第2型両肺野にじん肺による不整形陰影が多数あり、かつ、大陰影がないと認められるもの
第3型両肺野にじん肺による不整形陰影が極めて多数あり、かつ、大陰影がないと認められるもの
第4型大陰影があると認められるもの

じん肺の健康診断の対象は?

じん肺の健康診断は、「常時粉じん作業に従事する方」が対象です。

また、じん肺の区分によって、健康診断を受診する頻度が異なります。

「常時粉じん作業に従事する」ってどんな人?

「常時粉じん作業に従事する」に該当する事例

1. 每日1時間軽度工具類の研磨を行う労働者

2 毎日2~3時間アーク溶接を行う労働者

31日当たり2時間かつ1か月15日アーク溶接を行う労働者

4 每月1週間(約40時間) 鋼製のタンク内で、手持式グラインダーを用いて錆落としを行う労働者

5 毎月15日(1日当たり2時間) グラインダーにより鋳物のばり取りを行う労働者

6 鋳物業において所定労働時間及び所定労働日数の大半を粉じん作業に従事する労働者

7 ガラス製造工場で毎日2時間以上原料の混合を行う労働者

8 磁器食器製造工場において毎日3時間程度製品の底面等の研磨(はまずり等)を行う労働者

9 1時間ごとに1回(約20分間)、1日当たり7回ほとんど毎日、開放炉に鉱物を投げ入れる作業に従事する労働者

「常時粉じん作業に従事する」に該当しない事例

1 機械工場、鉄工場等において、設備、機器の補修等のため、まれに屋内でアーク溶接を行う労働者

2 鉄骨加工業において、月に2~3回、短時間、屋内のアーク溶接を行う労働者

3 屋内で鉄骨の仮止めアーク溶接を1日当たり60か所(1回当たり2秒)行う労働者

41日1時間、1か月2~3日はアーク溶接を行う労働者

5 毎月1回(約3時間) 鋳物用キューポラの煙道等を掃除する作業を行う労働者

6 毎月15日(1日当たり10分間) グラインダーにより工具の研磨を行う労働者


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